🦑 白亜紀の海は「イカだらけ」だった!〜1億年前に爆発的進化した頭足類〜

生物ニュース

今日は、白亜紀(約1億年前)の海の姿を一変させる、最新の古生物学研究をご紹介します。

🔬 デジタル化石マイニング技術とは?

北海道大学の研究チームが開発した「デジタル化石マイニング」とは、産業用CTの何十億倍もの解像度で岩石を少しずつ削りながらカラー3Dスキャンし、“デジタル化”された岩石中から化石を抽出する革新的手法です。
これにより、今まで見つからなかった脆弱な“イカのくちばし”(ベーク)が明確に浮かび上がり、これまで1つしか知られていなかった化石が263個も発見されました。

🧬 約40種もの新種が一気に判明!

研究では、それら263個のベークから40種ものイカが抽出され、実に39種はこれまで知られていない新種でした。
年代分析から、イカ類はおよそ1億年前から700万年ほどの短期間に爆発的に多様化していたことが判明しています。

🌊 イカが主役の白亜紀海洋生態系

驚くべきは、その個体数だけでなくサイズまでもが、同時代のアンモナイトや硬骨魚を上回る状況だったことです。
つまり、白亜紀中期〜後期には魚類やアンモナイトではなく、イカが“海の主役”だった可能性が浮上してきました。

画像が生成されました

🧩 古生物学の常識を覆す展開

今までは「イカ類の化石は白亜紀末の大量絶滅後に多様化した」と考えられていましたが、この新たな証拠はそれを根底から覆します。
また、現在のイカ類に似た主要グループ(Myopsida/沿岸型、Oegopsida/沖合型)が既に1億年前に存在していたというのも驚きの事実です。

🧭 未来への展開

  • 生態系再評価:白亜紀の食物連鎖や生態系構造の再構築が必要に
  • 化石探査の革命:デジタル化手法によって、これまで見落とされてきた“軟体動物化石”がデータベース化され、古生物学が一変
  • 知性と遊泳力の進化史:大脳発達と高速遊泳の進化が予想よりも古くから始まっていた可能性

📝 終わりに

白亜紀の海は、恐竜やアンモナイトだけではなかった――。その深層には、イカが主役だった海の世界があったという驚きの事実。

この記事が気になった方は、ぜひ北海道大学のプレスリリースやScience誌掲載の原論文をチェックしてみてくださいね!

📚 参考リンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました